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”本のソムリエ”が選ぶ!「最高峰の男」が語った最強の男になれる5つの言葉

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実業家、アスリート、映画監督…。各界で頂点を極めた「最高峰の男」たち。そんな男たちの言葉が堪能できる本を“本のソムリエ”清水克衛さんにご紹介いただきました。最強の男たちが遺した言葉と、その言葉が生まれたストーリーに迫ります。


なぜ私たちは本を読むのでしょうか?どんな男の人生でも必ず困難なときがあります。その困難をどう乗り越えるか、大きな壁にチャレンジしていくか。そこに人間のドラマが生まれ、男としての成長も生まれます。それを最も効果的に私たちに教えてくれるのが、偉人たちの歴史であり言葉であり、彼らが書き遺した本なのです。

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“ Stay hungry, stay foolish ”
(飢餓感を持て。バカであれ。)

スティーブ・ジョブズ

アップルコンピューターの創業者であり2011年に亡くなったスティーブ・ジョブズが、スタンフォード大学の卒業式で語った言葉です。ジョブズは1955年に若い大学院生の夫婦の子供として生まれ、すぐに養子として育ての親に引き取られます。小さなときから天才肌で、大学は半年で中退、宗教や哲学に深い興味を持ちインドへ放浪の旅へ。
その頃に出会ったのが『ホールアースカタログ』という、人間が生きていくための様々なツールを集めた伝説的な本。ジョブズは大きな感銘を受けます。その最終号の背表紙に書かれた言葉が「Stay hungry, stay foolish」、いつまでもハングリーでバカであること。彼はこの言葉を生涯大事にすることで数々のイノベーションを起こしました。

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“ 社長なんて偉くも何ともねえ ”

本田宗一郎

『本田宗一郎語録』(小学館文庫)

ホンダ(本田技研工業株式会社)の創業者、本田宗一郎はホテルにチェックインするとき、職業欄に“会社員”と書いていました。「長というのは組織上の名であって偉さではない。あることに関して素晴らしい腕前をもちながら、大勢の人を指揮するのが苦手な人だっている。人をコントロールするのか、機械をコントロールするのかの違いであって、偉さではない。」と語っています。
本田が考えた「偉さ」の尺度は、「いかに世の中に貢献したか」でした。働く権利は平等で、役職名で身分の差をつけずに人を平等に扱うという思想は、本田宗一郎が亡くなった後もホンダの社風として受け継がれていきました。

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“ 右向け、左! ”

北野武

『北野武超思考』(幻冬舎)

日本を代表する芸人として、また世界を舞台に活躍する映画監督として、知らぬ人はいない存在となった北野武。浅草で生まれ、貧しいながらも母親に厳しく躾けられた彼は、安売りに並んだり、食事のために行列をなすような真似を「浅ましい」と言われ育ちました。 そんな幼少期の体験から「世間の流行に流されてまわりと同じことをしていれば、この世界では持てるものに利用されて搾取されるだけ」と彼は言います。この「右向け、左!」という言葉には、物事を自分の目で見て自分で感じたことに正直になれ、という意味が込められています。群れから離れた場所で自分のいた場所を眺めることで、自分がどんなに恥ずかしいことをしていたかに気付くことができるのです。

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“ 勝っておごらず、
負けてひがまず ”

舞の海秀平

『勝負脳の磨き方』(扶桑社)

現役時代は「平成の牛若丸」「技のデパート」と呼ばれた舞の海関。身長167センチ体重97キロの小さな身体で勝つためには相手を研究して理解し、意表をつくことが必要でした。その中で学んだのは、たとえ勝っても“喜びは7割”ということ。残りの3割は相手への礼儀です。
会社の中でよい成績を出したり、出世しても、周囲の支えや切磋琢磨したライバルへの感謝を忘れないこと。そして負けた時も言い訳せずに、問題のベクトルを自分に向けること。人や周りのせいにせず、失敗した原因を建設的に考えることができれば、自分の成長に繋げることができます。

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“ プリンシプルを持って生きれば、
人生に迷うことはない ”

白州次郎

『白州次郎100の箴言』(笠倉出版社)

敗戦直後の日本で、吉田茂の側近としてGHQと渡り合い、「従順ならざる唯一の日本人」と評された男が白州次郎です。経済安定本部次長、貿易庁長官、東北電力会長などを歴任しました。その次郎の生涯を通じた揺るぎない信念だったのが“プリンシプル”、日本語に直すと“原理原則”“物事の筋を通すこと”。
高校時代から外国車を乗り回し、イギリスに留学してケンブリッジ大学を卒業したジェントルマンでありながら、目下には優しく、権威には楯突き、日本人としての強い誇りを持っていました。「すみませんというのは駄目だ、SAY THANK YOU!」という名言も遺しています。

ここでご紹介した“最高峰の男たち”に共通すること、それは「枠にはまらない」ことではないでしょうか。既成の価値観や常識をたえず疑い、自分に枠を作らず、その枠を常に超えながら、自分の道を進む勇気を持つ男が「最強の男」であり、私たちが本当にかっこいいと思える男なのかもしれません。