冬でもキレイな手元で
「使い終わった容器は捨てるもの」……そんな当たり前を変えてみませんか?
いま、私たちの身近な日用品から生まれる空き容器を“資源”として循環させるプロジェクトが広がっています。暮らしの中の小さなアクションが、未来の環境を大きく変える一歩になるのです。
万博から広がる、新しいリサイクルのカタチ
2023年10月19日、P&GジャパンとAEONがタッグを組み、「EXPO 2025 みんなのリサイクルステーションプロジェクト」が始動。このプロジェクトは、2025年に開催した大阪・関西万博に向けた持続可能な社会の実現を目指す大規模な取り組みでした。
リサイクルは、今や一部の人だけが行う活動ではなく、社会全体で進めるべき取り組みです。このプロジェクトは、世界中が注目する万博を通して、多くの方が環境活動に関心を寄せるきっかけとなることを願って実施されました。
使用済み容器に“次の役割”を与える時代へ
世界では毎年、数億トンものプラスチックが生産され、その多くが廃棄物として処分されています。(出典:日本財団)
日本の1人あたりのプラスチック廃棄量は世界でも上位です。現在、廃棄されたプラスチックの多くは焼却炉で処理され、発生した熱はエネルギーとして活用されています。資源として再利用される割合は、いまだ限られている状況です。
しかし、使い終わった空き容器にも「資源」として再生できる可能性が残されています。私たち一人ひとりの選択と行動が、循環型社会を進める力になるのです。
日常生活の中で自然と未来づくり。プロジェクトの仕組みはとてもシンプル
私たちは、誰でも参加できるプロジェクトにすることを目指しました。
AEONグループ765店舗に、P&G製品を含む日用品の使用済みプラスチック容器の回収ボックスを設置。特別な手続きは不要で、買い物のついでに容器をボックスに投函するだけで「循環の一部」を担うことができます。回収された容器は、万博会場に設置される「ごみ箱(資源回収箱)」の原材料として再利用されました。
① イオンに行けば参加できる! 容器回収の広がり

プラスチック容器の回収は、2023年10月19日から2024年11月30日に実施されました。当初は650店舗での展開予定でしたが、最終的には765店舗にまで広がりました。
回収対象製品は、衣料用洗剤・柔軟剤、台所用洗剤、布用消臭剤、ヘアケア製品など。
こうした日用品の容器を、日常の延長線上で回収できるようにしたことで、多くの人に参加していただくことができました。
② 集めた容器が万博の“ごみ箱”に生まれ変わる
回収された容器は、大阪・関西万博「Co-Design Challenge」の選定事業者である、リサイクルを推進するテラサイクル(TerraCycle)の手によって再資源化され、万博会場に設置されるごみ箱(資源回収箱)に姿を変えました。
会場には「燃やすごみ」「燃やさないごみ」「プラスチック」「かん・びん」「ペットボトル」「ペットボトルキャップ」など7つの分別箱が設置されました。来場者は、日常的に行っているごみを分類する感覚で利用できます。
ごみ箱(資源回収箱)には二次元コードが掲示され、スマートフォンで読み取るとプロジェクト紹介動画を視聴できたり、ARフォトフレームで万博公式キャラクターと一緒に写真が撮れたりする仕組みも。
フェイスシールドから始まった、リサイクルの挑戦
P&GとAEONの協働プロジェクトは、この万博向けリサイクルが初めてではありません。
2021年1月には、イオングループ店舗でP&Gの使用済みプラスチック容器を回収し、フェイスシールドの素材に再生する取り組みが行われました。
この取り組みは、「自分も社会貢献できる」という意識を高め、リサイクルへの参加のハードルを下げることにつながりました。
今回のみんなのリサイクルステーションプロジェクトは、その延長に位置づけられ、より大きな社会参画を広げようとするものです。
P&Gでは、環境サステナビリティは、事業運営、サプライチェーン、ブランド全体にわたるビジネスの一環として組み込まれています。2018年策定の長期ビジョン「Ambition 2030」に沿って、気候変動・廃棄物・水・天然資源利用の4つを柱に取り組みを進めています。
さらに、2021年からはグローバルで「ネットゼロ2040」を掲げ、事業とサプライチェーン全体での温室効果ガスの排出量のネットゼロを目指す方針を打ち出しました。
一方、イオンも長年にわたりサステナビリティを企業方針の中心に据えており、環境・地域・健康を軸とした持続可能な社会の実現を目標の一つとして掲げています。
空き容器から始まる未来づくり。あなたも仲間に加わりませんか?
「EXPO 2025 みんなのリサイクルステーションプロジェクト」は、私たちに「小さな行動が未来を変える」ことを気づかせてくれます。
使い終わった容器をただ捨てるのではなく、次の命を吹き込む。その行動1つ1つが、持続可能な社会への大きな一歩となるのです。
■イオンの環境サステナビリティへの取り組み
イオンは30年以上前からサステナブル経営を推進し「社会の持続可能性」と「グループの成長」を両立させることを使命としています。
現在は「イオン サステナビリティ基本方針」を軸に、環境・地域・健康・人をテーマに掲げ、ステークホルダーと共に豊かな地域社会づくりを推進。植樹活動や資源循環への挑戦など、暮らしに密着した活動を継続しながら、企業として持続可能な未来を形づくっています。
■テラサイクルの環境サステナビリティへの取り組み
テラサイクルは「捨てるという概念を捨てよう」をミッションとして掲げ、従来リサイクルが難しかった廃棄物を回収・リサイクルするプログラムを展開し、集めた素材を新たな製品に再生するマテリアルリサイクルを推進しています。
その他にも使い捨て容器を再利用可能な容器に置き換えるリユースプラットフォーム「Loop」(フランスで展開中)、さらには川や運河を清掃することでプラスチックが海に流入することを防ぐ活動など、多面的に活躍。
循環性を意識した製品設計や再生素材の活用を提唱し、国際的なパートナーシップを通じて制度面からも廃棄物削減を後押ししており、単なるリサイクル事業にとどまらず「使い捨て社会からの転換」を世界規模でリードしています。
■イオンについて
イオンは、「お客さま第一」を企業理念の中心に据え、革新を続ける企業グループとして社会と共に成長を目指しています。
小売事業を基盤に、ショッピングモールを開発・運営するディベロッパー事業、クレジットカードや電子マネー、銀行・保険などを手がける総合金融事業、自社ブランド「トップバリュ」の企画・展開など、多角的に事業を展開。
これらを有機的に結びつけることで高い相乗効果を生み出し、地域社会の持続的な発展に貢献すると同時に、企業としての成長と永続を追求しています。


