写真家が教える、憧れの絶景。日本の世界遺産の楽しみ方(オトナ旅~世界遺産・西日本編)

otona-article-160706
0

オトナ世代の方ならきっと楽しめる、この夏に訪れたい国内の世界遺産は?前回の東日本編に続き、西日本の世界遺産について写真家の三好和義さんに伺いました。

三好和義(みよしかずよし)さん

[ 教えてくれた人 ]

写真家
三好和義(みよしかずよし)さん

日本に伝わる文化や豊かな自然が凝縮された世界遺産。そこには、海外や国内の観光地を一通り巡ってしまったオトナだからこそ学べる奥深さがあります。この夏は国内の世界遺産を訪れ、あなたの知らない「日本」に出会ってみませんか?

産業化へ向かう日本の姿が今も残る

軍艦島(長崎県)

端島(はしま)炭坑、通称「軍艦島」

2015年7月に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」。登録された23の資産の一つが長崎港の南西約18kmの沖合に浮かぶ端島(はしま)炭坑、通称「軍艦島」です。

50年で重工業の産業化を果たした日本の姿

そこには、幕末から明治にかけて欧米列強に対抗するために近代化を迫られ、わずか50年で重工業の産業化を果たした日本の姿が今も残っています。

面積は約6.5ヘクタールというこの小さな島

面積は約6.5ヘクタールというこの小さな島では、1890年から1974年までの約80年間に渡って海底から石炭が採掘され、主に北九州の八幡製鉄所で利用されてきました。

日本で最初に鉄筋コンクリートの高層アパートが建てられた

最盛期には5000人が暮らし、日本で最初に鉄筋コンクリートの高層アパートが建てられ、世界最高の人口密度だったとか。散策可能な公開ルートを巡るツアーコースも充実。夏の日暮れに対岸から見える軍艦島のシルエットはまさに「軍艦」の姿そのものです。

今では廃墟に

かつて国を挙げて作られ、活気にあふれていた石炭産業の巨大要塞も、今では廃墟に。それでも、いまなお圧倒的な存在感の建築物に、あなたの胸もきっと熱くなるはずです。

▼長崎市公式観光サイト
https://www.at-nagasaki.jp/gunkan/


「昔話の世界」に来たような感覚が味わえる

白川郷(岐阜県・富山県)

約60度の急勾配の屋根

急勾配の屋根を持つ「合掌造り」の家屋と、昔懐かしい農村の景観風景が評価され、岐阜県白川郷の荻町集落、富山県の五箇山の相倉、菅沼集落が1995年に世界文化遺産に登録されました。合掌造りの家は多くが江戸時代末期から明治時代にかけて建てられ、約60度の急勾配の屋根は積もった雪が滑り落ちやすく、屋根裏では養蚕などが行われました。

白川郷の荻町集落では59棟の合掌造りの家屋が残る

白川郷の荻町集落では59棟の合掌造りの家屋が残り、内部公開されている家屋や民宿になっている家屋も。海外を含めても珍しい、「世界遺産に泊まる」という楽しみ方も可能です。

高台にある展望台から集落を見渡す

高台にある展望台に登って山々に囲まれた集落を見渡せば、眼下には日本の里山の原風景が広がります。緑豊かな夏もいいですが、ライトアップされた冬の雪景色も格別です。

ノスタルジーを感じる素朴な風景

忘れかけていた子供時代を思い出し、なぜか懐かしさが胸に込み上げてくるはず。ノスタルジーを感じる素朴な風景に、タイムスリップして昔話の世界に来たような感覚を味わえます。

▼世界遺産ひだ白川郷
https://shirakawa-go.org/kankou/


悠久の時間の流れと生命の奥深さを感じる

屋久島(鹿児島県)

日本で最初に世界遺産認定を受けた場所の一つ

日本で最初に世界遺産認定を受けた場所の一つが屋久島。一つの島で亜熱帯から亜寒帯まで標高が上がるにつれて植生が変わり、ありとあらゆる1900種以上の植物を見ることができ、日本の植生を一カ所で学ぶことができます。

雨の中の景色も幻想的

そして「ひと月に35日、雨が降る」と言われる屋久島には川や滝が瑞々しく流れ、豊かな自然を育んでいます。雨の中の景色も幻想的で、霧が立ち込める苔の森には、日本で1600種あるという苔のうち600種が生息しています。

樹齢1000年以上の屋久杉

有名な縄文杉だけではなく、あちこちに立ち並ぶ樹齢1000年以上の屋久杉を眺めていると、悠久の時間の流れと生命の奥深さを感じ、きっとあなたの人生観も変わるに違いありません。訪れる際はアウトドアの装備が必須。単独行動ではなく、ガイドさんの案内がある、ツアーに参加しましょう。

オトナの一人旅にもオススメ

東京や大阪から飛行機を使えば2~3時間、思い立ったらすぐに来ることができるので、オトナの一人旅にもオススメ。行くたびに心が洗われるようで、日本の世界遺産の中でも僕が一番好きな場所です。屋久島は、自分が悠久の時の流れに存在する、壮大な生態系の一部であることを教えてくれます。

▼屋久島世界遺産センター
https://www.myrepi.com

三好和義(みよしかずよし)さん

写真家
三好 和義さん

1958年徳島県生まれ。85年、デビュー写真集「RAKUEN」で、木村伊兵衛賞を当時最年少で受賞。世界中の「楽園」をテーマに写真集を数多く出版。

0

コメントを投稿しよう!(投稿にはログインが必要です。会員でない方は今すぐ登録しよう!)

今、あなたにオススメ