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一度は登りたい!登山ガイドに学ぶ、オトナの富士山の魅力[後編]

一度は登りたい!登山ガイドに学ぶ、オトナの富士山の魅力[後編]

2013年6月、世界遺産に登録されたことによりこれまで以上に高まっている富士登山の人気。
十分な準備をして、しかるべき手順とルールを守れば、登山初心者の方でも安心して登頂することができます。
今回は、登山ガイドの渡邉幸子さんをお迎えして、エキスパートが語る富士山の魅力や登山の心得などをお伺いしました。

富士登山の心得

50代からの登山計画

低い山にいくつか登ることがプランニングの要

1.低い山にいくつか登ること

登山の経験の有無にもよりますが、低い山にいくつか登ることがプランニングの要となります。段階的に少しずつ歩く距離を長くしたり、標高差のある山に登るのが効果的。日ごろから軽い筋トレを行ったり、階段を進んで登ったりすることで基礎体力をつけておくのもおすすめ。

2.状況や希望を考え、登山道を決める

わたしがガイドする登山道は<吉田口登山道>となっています。山小屋が多いので高山病になった場合もそこで休むことや泊まることができるのが安心です。
また、金剛杖に押す記念の焼印は小屋ごとに違うので、集める楽しみにもなります。そのかわり登山者が多いので、あまり混んでいない登山を希望する方は、登る距離は少し長くなりますが、<須走口登山道>がいいでしょう。登りはじめに樹林帯も楽しめるルートです。

3.初心者なら登山ツアーへの参加も

初心者の方は登山ツアーに参加するのも一案。一泊二日のツアーがほとんどですが、初めての方は二泊三日のツアーで行くのが行程的にもゆったりしていておすすめ。もしくは、山頂での御来光にはこだわらずに、ゆっくり山小屋で休んでから出発し、御来光は途中で見るツアーのほうが気持ちにもゆとりが出て、体の負担が軽減されます。

知っておきたい予備知識

マナーを守って安全に

1.富士登山におけるマナー

ごみを捨てたりタバコを捨てたりするのは論外です。また、もっとも気を付けていただきたいのは落石です。登山道以外を歩いたり、下山道の端を歩いたりして落石を起こす方が多くいます。落石はたとえ小さな石でも長く落下することで大きな衝撃となって落ちます。十分に配慮して歩くことが落石事故を未然に防ぐことに繋がります。

2.一緒に登る人との連携をしっかりと

一緒に登るメンバーとはぐれないようにしましょう。携帯電話は繋がるところと繋がらない場所があるのでご注意を。

3.防寒着は必須装備

山頂の気温は都会の真冬なみに冷え込むので、必ず薄手のダウンジャケットやフリースなどを持参しましょう。また、その一方で登っている間は意外と汗ばむので、アンダーウェアは汗が乾きやすい通気性の良いものがおすすめです。

4.八合目あたりで、冷静な判断を

九合目近くで、高山病・疲労・寒さ・食欲不振の影響で意識を失う人が稀にいます。このあたりは山小屋もないので非常に危険です。八合目あたりで、山頂を目指すか・下山するかの冷静な判断をご自身で行うことが大切です。











いまさら聞けない!富士登山Q&A

A. 天候がよければ登ることも可能ですが、天候が悪くなった場合、登山に慣れていない方は想像以上に辛くなります。山を登る体力も最低限は必要になります。体力がない方のほうが危険も伴うので、登山の経験をしておいたほうが危険回避にもつながります。

A. 水分補給、ゆっくり歩く、深呼吸・腹式呼吸です。

A. 吉田口の登山道に関しては七合目と八合目に救護所が設置されます。具合が悪くなったり、ケガをした場合は救護所で診てもらいましょう。あくまでも山の救護所ですので最低限の診断や応急処置のみとなります。自分の体に耳を傾けて、無理せず登山しましょう。

A. 山小屋のトイレを利用しましょう。トイレ管理費として200円、山頂は300円かかりますので小銭のご用意を忘れずにお持ちください。

これから富士山に登る方へのメッセージ

ぜひ体験してみてください

「登りたい!」と思ったときがチャレンジするときです。体力と気力さえあれば何歳でも登れるので、しっかりと準備しましょう。富士山に登るための体力作りも意識して行いたいですね。
ただ、やはり日本一高い山です。入念な準備を行ったとしても、自然の力に逆らえないことは十分にありえます。
思い通りにいかない事態を受け入れること、そして、体を整えること。それ自体も富士登山から得られる恩恵に他なりません。
“一生に一度はチャレンジしたい富士登山”、ぜひ体験してみてください。

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