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【包丁の研ぎ方】料理人から学ぶ研ぎ方と切れ味を長持ちさせる使い方

近頃、自宅でできる趣味として「包丁研ぎ」が注目されています。

小さなスペースででき、必要なのは研ぐための砥石などの道具と包丁だけという手軽さで、誰でも始めやすい趣味と言えるでしょう。

その反面、興味があっても研ぎ方が分からずハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。

けれど正しい包丁の研ぎ方を知っていれば、意外と包丁を研ぐことは難しくないんです。

そこで今回は、包丁を研ぐ時に使う砥石とシャープナーのそれぞれのメリットとデメリットや正しい包丁の研ぎ方、包丁の切れ味を長く持たせるコツについて解説していきます。


包丁を研ぐタイミングの見極め方

包丁を研ぐタイミングの見極め方

料理に欠かせない包丁。気がつけば切れ味が悪くなっている……なんてことはありませんか?

包丁を使う頻度によって研ぐタイミングは異なりますが、包丁を毎日使う場合は、月に1回ほど研ぐのが理想的です。多くても月に2回研いでおけば十分です。

包丁を週に数回程度しか使わないという人は、包丁の切れ味が悪くなる前に研いでおけば、手入れの時間は短くなるのでおすすめですよ。

では、包丁の切れ味が落ちているかをどのように判断すればいいのでしょうか。

包丁の切れ味を確認する方法は3つです。

① 新聞紙やコピー用紙を切ってみる

新聞紙やコピー用紙を切ってみる

切れ味が良い時はきれいに切れますが、悪くなっているとビリビリに裂けてしまいます。

② トマトを切ってみる

トマトを切ってみる

切れ味が落ちた包丁でトマトを切ろうとすると断面がつぶれてしまうので一目で判断できます。

③ パンを切ってみる

パンを切ってみる

パンを切る際に屑がたくさん出るようになったら包丁の切れ味が落ちているサインです。

★ものを切る以外で判断する方法

指の腹で包丁を撫でてみて、指紋がひっかかるようなら切れ味が良く、引っかからない場合は切れ味が悪くなっています。

この際、ケガをしないよう十分に気をつけて行ってください。

砥石とシャープナーのメリットとデメリット

包丁は、砥石もしくはシャープナーで研ぐことができます。それぞれのメリットとデメリットとは? また砥石とシャープナーにはどんな種類があるのでしょうか。

砥石





砥石を使いたいと考えているなら、滑り止めがついている安全性の高いものを選ぶと良いでしょう。

砥石の値段は数百円から数万円と幅があります。初心者の方は1,500円位の手頃なものから始めてみるとちょうど良いかもしれません。

「荒砥石」

3種類の中で最も削る力が強い砥石です。
大きく欠けた刃先を削り落として修理をしたり、変形してしまった刃の形を修正したりする際に使用します。
中砥石を使う前の前処理として使うことが多いです。

「中砥石」

刃先が丸くなった包丁を鋭くする時に使う砥石です。
研ぎの標準となる砥石で、初心者の方が最初に買う砥石は「中砥石」が良いでしょう。

「仕上げ砥石」

削る力が弱いので包丁の減りが少ない砥石です。
中砥石で付いた傷をさらに滑らかにして、刃の耐久性をさらにアップさせたり、料理の味を高めたりすることができます。

シャープナー






シャープナーは、使い勝手と収納のしやすさが魅力。

砥石を使った際の仕上がりに近いロール式、または包丁以外にも使える研ぎ棒がおすすめです。

砥石を使って包丁を研ぐには少しコツが必要ですが「包丁の切れ味を維持したい」「包丁を長く大切にしたい」なら、砥石を使うことをおすすめします。

研ぐ前の準備

・砥石を水に浸ける

砥石を水に浸ける

砥石の種類によっては使う前に一度水に漬けなければならないものもあります。一般的には、砥石から気泡が出なくなるまで10~20分程度水に漬けます。ただ砥石によっては水に漬ける必要がないものもあるため、説明書に従って準備しましょう。

・砥石を研ぎ台にセット

砥石を研ぎ台にセット

研ぎ台がない場合、濡れ雑巾などを砥石の下に敷いて滑らないようにしてください。

・滑り止めに濡れタオルを敷く

滑り止めに濡れタオルを敷く

包丁を研いでいる際に台が動かないように濡れタオルを下に敷きましょう。

包丁の研ぎ方

① 包丁の表を研ぐ

包丁は数回に分けて研ぎます。その際、包丁の角度は砥石に対し45度くらいで砥石の正面に立つように構えてください。



◇研ぐ角度

研ぐ時は刃の部分のみを砥石に当てるイメージで、包丁と砥石の間を10~15度(10円玉1~2枚分)ほどの隙間を空けて研ぐようにします

研ぐ時は刃の部分のみを砥石に当てるイメージで、包丁と砥石の間を10~15度(10円玉1~2枚分)ほどの隙間を空けて研ぐようにします。

◇手の添え方

 研ぐ際、手が滑らないよう人差し指と親指でしっかりと包丁を固定

研ぐ際、手が滑らないよう人差し指と親指でしっかりと包丁を固定しましょう。刃の上に左手を添えて柄の近い部分から研いできます。

包丁を押し出す時は力を軽く入れ、包丁を引く時は力を入れないこと。引く時に力を入れてしまうと刃先の角度がぶれて均一に研げなくなってしまいます。

② 3~4回に分けて研ぐ

包丁の全体を一度に研ぐことはできないので、柄のほうから3~4等分ずつに分けて研ぎましょう。

③ カエリのチェック

刃の先端にカエリ(バリ)が出ているかを確認

20回ほど研いで刃の先端にカエリ(バリ)が出ているかを確認。指の腹で刃に触ってみて引っ掛かりを感じたらきちんと研げています。カエリがない場合は少し研いでください。カエリを確認できたら研ぐ部分を変えましょう。

カエリとは?



④ 裏を研ぐ

裏を研ぐ

包丁を裏返して研いでいきましょう。回数は表の半分の10回ほど研いでください。

⑤ 仕上げ

◎仕上げ砥石がある場合:仕上げ砥石を使って表20回、裏10回ほど研いでください。

◎仕上げ砥石がない場合:研ぎ終わった後に、砥石の細かい方で表裏両方とも2~3回ほど研ぎましょう。

⑥ 水分を拭う

包丁を研ぎ終わったら、水洗いして乾いた布でしっかり水分を拭き取ってください。

包丁を研ぎ終わったら、砥石の表面に付着している研ぎくずや研ぎ汁を水で洗い流します。その後は直射日光などの当たらない日陰で、2~3日しっかりと乾燥させてください。完全に乾燥させてから温度変化の少ない場所で保管しましょう。

① ハンドルをしっかりと握る

ハンドルをしっかりと握る

シャープナーを濡れタオルの上に置いて、ハンドルをしっかりと握ってください。

② 包丁を前後に動かして研ぐ

包丁を前後に動かして研ぐ

砥石の隙間に刃先を挟んで、前後に動かしましょう。

荒い物から細かい物へという順番で研いでください

砥石に種類がある場合、初めに粗い目から研いで、次に細かい目の順番で研いでください。

切り方1つで大違い!こんな切り方、していませんか?

定期的に包丁を研いでいても、普段の使い方に問題があれば切れ味が早い段階で損なわれることもあります。

硬くて切りにくいからと言って、力任せに切っていませんか?

包丁を使う際は、スライドさせながら食材を切りましょう

硬くて丈夫に思うかもしれませんが、包丁は意外とデリケート。 例えば、包丁を上から打ち付けるような切り方はNG。刃を傷めたり、切れ味を損なったりすることにつながります。

包丁を使う際は、スライドさせながら食材を切りましょう。

スライドしにくい場合は、まな板に切っ先をつけた状態から刃元に向かって下ろすようにすると切りやすくなりますよ。

ちょっとした使い方1つでも包丁の切れ味は変わってきます。

大切な包丁をいつまでも使い続けられるよう、普段の切り方を少し意識してみませんか?

まな板の選び方でも包丁の切れ味はグッと変わる!

包丁を長持ちさせるには、使い方以外にも気を付けるべきポイントがあります。

それは硬いものの上で包丁を使わないことです。

例えば、面倒だからとお皿など硬いものの上で食材を切っていませんか? 硬いものの上で包丁を使うと、包丁の切れ味を損なう原因にもなります。包丁を使うのは、まな板の上だけにしましょう。

また、使うまな板は、あたりの優しい木のまな板がおすすめです。まな板を洗った後は包丁同様に自然乾燥させるのではなく、水分を拭き取るようにしましょう。

包丁の研ぎ方をマスターして、料理をもっと楽しく

包丁の研ぎ方をマスターして、料理をもっと楽しく

料理が趣味な人や日常的に家事をしている人も、包丁の研ぎ方がマスターできたら料理が格段に面白くなるのではないでしょうか。

また、研げば研ぐほど、サクサクと食材を小気味よく切れるようになる包丁にも愛着が湧いてくるはずです。

ぜひ、この機会に包丁の研ぎ方をマスターしてみましょう!

岩丸貴徳さん






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