冬でもキレイな手元で
一人暮らしをしている方の支出の中で、大きな割合を占めているのが「食費」です。
好きなものばかり食べていると、食費はつい膨れ上がってしまうことも多く、一人暮らしを始めて「こんなに食費がかかるんだ」と驚いた方も多いのではないでしょうか?
食費を抑えるために大切なことは、「予算管理」です。
実際にどのようにすれば上手に節約できるのか、 節約アドバイザー監修のもと、食費の管理方法や節約術をご紹介します。
一人暮らしの食費の平均額は、ズバリいくら?
突然ですが、あなたは先月食費にいくかかかりましたか?
食費を抑えるためには、まず毎月の食費がいくらかかっているのかを把握することが大切です。
総務省統計局の「家計調査(単身)勤労世帯」(2023年)によると、一人暮らしの1カ月食費の平均は4万301円です。
手取り年収によっても食費に割ける金額は変わると思いますが、まずは平均を目安に予算管理していくと良いでしょう。
まずは予算を決めることから!食費管理の方法とポイント
ここでは、毎月食費で4万円(一人暮らしの食費の平均)~5万円を使うことを想定し、具体的な食費の管理方法について紹介します。
どの程度、自炊するかによって配分が変わりますが、目安として参考にしてください。
予算を決めたら、1カ月は4~5週間あるので、1カ月の予算を5等分しましょう(月によっては4週の場合もありますが、5等分しておくことで余裕を持った予算管理ができます)。
そうすると、自炊メインの場合は、1週間で自炊費に5,000円、外食費に3,000円かけられるという計算になります。
このように週単位や食材によってある程度柔軟性をもって予算を決めることで、日常生活の中で「この買い物は本当に必要なものなのか」「もっと安く買える方法はないのか」と考えるきっかけになり、買い物の優先順位を付けられるようになるでしょう。
また、食材の買い出しへ行ったときも、自炊に必要な食材から購入し、残った予算でお菓子やジュースといった嗜好品を買うなど、買うものの優先順位を付けることもできるようになり、結果的にムダの少ない買い物をすることができます。
① 交際費
単純に食費とは言っても、会社の飲み会や友人との食事などにかかる食費を「外食費」とみなすか「交際費」とみなすかによって、予算配分は変わります。
このあたりのルール決めは、自身の手取り額によってケースバイケースで調整すると良いでしょう。
② 余裕をもった金額設定
予算を組む時には、あまりカツカツな金額にしないようにすることがポイントです。
予算がカツカツすぎると、節約することが目的になってしまい、食事の栄養バランスが崩れたり、精神的なストレスがかかってしまったりして、継続できなくなる可能性があるからです。
③ 予備費を作っておく
予算の範囲内でやりくりしようと頑張っていても、突発的な支出はどうしても出てきます。 そんなイレギュラーな出費が発生したときのために、生活費の予備費を毎月2万円程度設けておくと良いでしょう。
予備費は食費だけではなく、生活費の予算で足りない出費をカバーする予算です。
④ 初めは現金で管理
今はキャッシュレス決済で買い物をする人も増えていますが、節約初心者の方は、まず食費専用の財布を作り、現金で管理してみましょう。 そのほうが、視覚的にどれだけお金を使ったのかが分かりやすいためです。
また、1週間分の予算が余ったら、繰り越しをせずに取り分けておきましょう。 毎週定額の予算でやりくりすることで、買うものと食費の管理が安定します。
そして、1カ月分のやりくりの成果が目に見えるのも励みになります。 やりくりの成果は、貯蓄にして旅行費用にするなど目的を持たせてもいいですね。
最初の1カ月程度は現金で管理してみて、慣れてきたらキャッシュレスに移行してみるのもOKです。
また、最近はキャッシュレス決済と連動した家計簿アプリもありますので、そういったものを活用してみると良いでしょう。
早速チャレンジ!気負わずできる3つの食費の節約術
① 自分の生活圏のスーパーを把握する
普段の買い物は、割高になりがちなコンビニよりも、出来る限りスーパーで済ませるようにしましょう。
スーパーで買う習慣を身に付けるためには、仕事帰りに立ち寄るなど日常生活の中にうまく組み込むことがポイント!
そのためにも、まずは自宅周辺のどこにスーパーがあるか、そこでは曜日ごとに何がお得に買えるのかチェックしておくと効率的です。
ここでの注意点は、「全部スーパーで買い揃えないと!」と気負わないこと。
一気に買い揃えようとするあまり、かえって不要なものまで買ってしまう可能性があるからです。
そうなるくらいであれば、たまには近くのコンビニで必要なものだけサッと買ってしまうほうが良い場合もあります。
② 買い物にプライベートブランドを取り入れる
「プライベートブランド」とは、スーパーやコンビニなどの小売業が自社で企画して外部に生産を委託し、ブランドを付けた商品を指します。
メーカー自ら展開するナショナルブランドに比べ、比較的安価で買えることが多いため、食費を節約したい人の強い味方と言えます。
とはいえ、製造はナショナルブランドや地元で愛されているメーカーであることがほとんどです。
パッケージの裏面に製造者が記載されていることもありますので、チェックしてみてもいいですね。 普段の買い物に取り入れてみましょう。
③ 一日の終わりにレシートをチェック
気が付いたらいつの間にか余計な出費をしてしまった……。
そんな方は一日の終わりにレシートを5分間眺めてみてください。
そうすると自分の一日の行動と、買ったものが見えてきます。
明日のお金の使い方を考えるなど、無駄な出費を抑える方法を見つけるヒントになるかもしれません。
また、レシートをもらわずに捨ててしまう人もいるかもしれませんが、やりくりにはレシートチェックをして冷蔵庫に貼ると簡易的な在庫表にもなるので、捨てずに活用しましょう。
自炊が苦手でも大丈夫!お手軽な節約料理
食費を節約するには、やはり自炊が欠かせません。 とはいえ、自炊が苦手だという人もいるでしょう。
そんな方は、まずフライパン1つでできる「ワンパン料理」からチャレンジしてみましょう。 深さが20㎝ほどの深型の蓋付きのフライパンが1つあると、焼いたり煮たり、茹でることもすべて賄えます。
栄養満点!初心者にも作りやすい「卵とじ」
ワンパン料理で最初にマスターしていただきたいのは、卵とじです。
卵とじの具材は、鶏肉やちくわ、玉ねぎなど何を入れても大丈夫。
スーパーで買ったトンカツ入れたら、かつ丼にも大変身! 冷蔵庫の残りものに応じて具材を決めても、美味しく仕上がるのが卵とじの良いところです。 味付けに自信がない方でも、めんつゆを使えば、ばっちり味が決まります。
野菜を多くとれてコスパもGOODな「野菜炒め」
スーパーやコンビニでも見かける「野菜炒めセット」は、少量なので1人でも食べきることができてコストも安いので、とても重宝します。お好みのお肉や魚と一緒に合わせて炒めれば10分程度で調理完了!
仕事から疲れて帰ってきた時でも準備しやすいメニューです。栄養バランスも良く、アレンジも効くので自炊の定番料理としてピッタリですよ。
「野菜炒めセット」はラーメンに焼きそば、みそ汁やスープの具材などに幅広く使えます。
使い勝手の良い食材や調味料
自炊をする際にストックしておくと便利なオススメ常備品は3つ。
① 麺類全般
卵とじに飽きた、という方におすすめなのは、麺類です。保管スペースもそれほど取りませんし、一食分の量としても十分にまかなえます。
冷凍うどんや冷凍蕎麦、パスタは日持ちもしますし、茹でればあっという間に主食になります。
② 麻婆豆腐の素
麻婆豆腐の素もアレンジ幅が広くおすすめです。
例えばお豆腐はもちろん、冷凍の揚げナスやシーフードミックスを入れても美味しくいただけます。
トマトや大根、納豆など、「麻婆豆腐と合うの?」と少しびっくりしてしまう食材とも相性がばっちり!
期限などが迫ってきた食材を消費したい!という時にも重宝しますよ。
③ 焼き肉のたれ
料理は苦手だから出来る限りしたくないという人は、冷凍野菜やお肉を焼肉のたれで炒めましょう。
味が濃いので立派な食べ応えのある、がっつりしたおかずになりますよ。
料理が苦手な人でも自炊を続けるコツ
主食だけは自炊する
まずは、ごはんや麺などの主食だけは自分で用意するところから挑戦してみましょう。
ごはんはまとめて炊いて、1食分ずつ小分けして冷凍にすれば、帰宅後はレンジで温めるだけで主食が確保できます。
レンジでパスタがゆでられるグッズが100円ショップなどで売られていますので、コンロが1口で同時にパスタソースが作れない場合にも便利です。
最初から無理をせず、自分ができることから始めて継続すること。
これが節約を楽しく続ける大切なコツです。
まずは単純作業から始めてみる
「肉を買ってきて塩コショウで焼くだけ」なんてところからでも十分なので、まずは自炊を続けるということから始めてみましょう。いきなり完璧を目指す必要はありません。
納豆や目玉焼きだって立派なおかずですよ。
続けているうちに、味を変えてみたり、別の調理方法に挑戦してみたりしたくなるので、自然と料理の幅が広がっていくはずです。
また余裕ができてきたら、夕食のおかずを少し残して翌日のお弁当のおかずにアレンジすれば、昼食代の節約にも。夕食のおかずに玉子焼き、プチトマトをプラスするだけでお弁当が完成!
夕飯の残りをお弁当のおかずにする際は、一度加熱してからお弁当に詰めるようにしてくださいね。
一人暮らしで食費を節約させるポイントは「無理をしないこと」
食費を節約する大切なポイントは無理しないこと、そして継続することです。
無理をしているとどこかでほころびが生まれ、思わぬ散財や栄養バランスの乱れにつながります。もやしだけといった極端な食生活ではなく、肉、魚、旬の野菜、卵、豆腐など価格が手ごろで栄養のある食材も上手に取り入れるようにしましょう。
自分のペースでコツコツと継続することが、結果として節約につながっていきます。窮屈で我慢ばかりの生活を送るのではなく、楽しめる範囲で節約していきましょう。
そして心や時間に余裕が出てきた段階で、新しいメニューを取り入れるなどすると、より楽しく節約を続けられるのではないでしょうか。
バランスの良い食事が作れるようになれば、それが財産になることは間違いありません。
丸山 晴美
節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー消費生活アドバイザー
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。
http://www.maruyama-harumi.com
この記事を読んだ人にはこちらの記事もおすすめ!
ファイナンシャルプランナーに学ぶ、 オトナの未来が輝くマネープラン