冬でもキレイな手元で
昼食後、つい襲ってくる眠気に悩まされつつも「仕事や勉強のパフォーマンスは落としたくない」と思っている方は多いのではないでしょうか。
眠気を無理に我慢すべきか、それとも思いきって短時間でも仮眠は取るべきなのでしょうか。
昼寝をすることに罪悪感を持つことがあるかもしれませんが、実は昼に仮眠を取ることは集中力や記憶力を高めたり、疲労回復を促す効果があります。
なかでも疲労回復効果が期待できる「パワーナップ」が今注目されています。
「昼寝」との違いや、日中に仮眠をとるメリットと最適なタイミング、さらに快適な仮眠をサポートしてくれるおすすめグッズまで、幅広く紹介していきます。
なぜ昼食を食べた後は眠くなるの?

昼食後に激しい眠気に襲われてしまったら、皆さんはどうしていますか。思い切って昼寝しますか? それとも眠気を我慢してしまいますか?
仕事をしている場合、「仕事中に寝るなんて怠けていると思われるのでは?」という不安や、「昼寝で本当に効率が上がるの?」といった疑問から、眠気を我慢してしまうことも多いようです。
しかしご存じでしょうか。実は、お昼に短時間の睡眠をとることは健康やパフォーマンスの向上に役立つとされています。
お昼に眠気が起きるのは、2つの原因があります。
1つは昼食を食べた後に血糖値が急上昇して、すぐに急降下すること。2つ目は生体リズムです。人は夜中の午前2~4時頃と、昼間の午後2~4時頃に眠りのピークが訪れるように体内時計が設定されています。ですから、昼時の眠気は生理現象なんです。
昼食後に仕事の効率が下がるように感じるのは、こうした理由からです。 そのため、眠気を感じたときは我慢せずに適度に仮眠を取ることは、体力の回復や作業効率アップには効果的なのです。
たった20分で疲労回復!夜間睡眠に匹敵する「パワーナップ」とは?
昼寝をすることが決して悪いことではなく、むしろ良いことだということがわかりました。では疲労を回復させるための仮眠はどのように取ればいいのでしょうか?
一般的に言われている昼寝の最適な時間は「15~30分」です。 15分以下の仮眠では回復が不十分になってしまい、逆に30分以上寝ると目覚めが悪くなり、集中力の低下につながると言われています。
しかし、「昼寝」よりもずっと良い方法があります。
理想的な仮眠時間は20分前後です。この短い仮眠を「パワーナップ」と呼びます。パワーナップは、健康の改善や仕事のパフォーマンス向上を目的とした仮眠です。もともとは海外の大手企業が導入した取り組みとして知られていました。
では「昼寝」や「シエスタ」と、パワーナップの違いは何でしょうか。
昼間にとる睡眠全般を指し、特に時間や長さに決まりはありません。
・シエスタ
昼食後にとる休憩全般を指し、仮眠を含む場合もあれば、ただの休憩を意味することもあります。
疲労回復や作業効率の向上を目的とする仮眠を「昼寝」と呼ぶこともありますが、仕事や勉強のパフォーマンス向上を意識して取り入れるのであれば「パワーナップ」がピッタリと言えるでしょう。
昼寝では得られない!?パワーナップで期待できる効果

① 身体的な疲労回復
仕事や育児で日々忙殺されてしまい寝る時間が遅くなり、どうしても夜の睡眠が不足しがちに。
しかし昼間にパワーナップを取り入れるだけで、その不足分を補うことが可能に。短時間でも質の良い睡眠を取ることで体の疲れを回復させ、午後の活動をスムーズに進めることができるようになります。
② メンタル面への効果
睡眠不足が続くとストレスが溜まり、うつ病などのメンタル不調のリスクにつながります。一方でパワーナップを取り入れれば、ストレスを緩和し、心の健康にも良い影響を与えてくれます。
③ 免疫力アップ
睡眠不足になると免疫力が低下しやすくなります。一方でパワーナップを続けると免疫力が上がり、感染症やがんのリスクも低くなると言われています。
④ 記憶力の向上
適切に仮眠をとることで記憶が整理され、新しい情報を処理する力が高まります。その結果、記憶力の向上が期待できます。
⑤ 集中力の向上
眠気を我慢し続けると、どうしても集中力を維持することが難しくなります。思い切って仮眠をとることにより、集中力が高まりミスなどを未然に防ぐことも可能に。
このように、パワーナップには「身体的疲労の回復」「ストレスの緩和」「免疫力アップ」、そして「記憶力の向上」「判断力・理解力・集中力の向上」といった効果が期待できるので、いいことずくめだということがよくわかりますね。
最適なパワーナップを行う時間は?
パワーナップは、眠気を感じたらいつでもよい、というわけではありません。仮眠をスタートする時間が15時を過ぎると夜間の睡眠リズムが崩れ、かえって睡眠の質が悪化する可能性も。
そのため、12時から15時の間に20分前後のパワーナップがおすすめです。仮眠する長さによっては、かえって疲労感が増すことがあるので、一番効果の高い時間に行うのがおすすめです。
■15〜30分 → 最も効果的な仮眠時間。疲労回復・集中力アップに繋がる
■30分以上 → 深く眠ってしまい寝起きが悪くなり、ぼんやりすることも。集中力が低下するリスクがある
時間は短すぎても長すぎても効果が得られません。 そのため20分前後で起きるようにしましょう。
パワーナップをより効果的にする6つの方法

パワーナップの効果をより高めるにはどうしたらよいでしょうか。
1 仮眠のタイミングに注意する
仮眠の時間帯は、12~15時がベスト。それより遅い時間に仮眠をすると、夜の睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
2 仮眠の際は横にならない
横にならずに椅子やソファなどに座ったまま仮眠するのがポイント。座ったまま仮眠を取ると交感神経が程よく刺激され、深い眠りに入るのを防げます。
横になるとリラックスしすぎて、深い眠りに落ちやすくなるので注意しましょう。
3 深く寝すぎないように、タイマーをセットする
パワーナップを効果的にするためには、時間管理がとても重要です。
20分以上眠ると深い眠り(ノンレム睡眠)に入ってしまい、かえって逆効果になってしまいます。特に30分を超えると、睡眠慣性(起きた後も眠気が続く状態)が強まり、集中力が低下する恐れがあります。
20分前後で目覚められるよう、必ずタイマーをセットしましょう。
4 食後すぐは避ける。消化が落ち着いたタイミングで行う
食事の後は消化のために血流が胃腸へ集中します。このタイミングで寝てしまうと消化が遅くなり、胃もたれや不快感を伴うことがあります。
理想的なのは、食後30分~1時間ほど経ち、ある程度消化が進んだタイミングでパワーナップを取ることです。また、脂っこいものや消化に時間がかかる食べ物を避けると、より良い仮眠を取ることができます。
5 カフェインをとる
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、摂取後20~30分ほどで効果を発揮し始めます。仮眠直前に飲めば、目覚めた時にスッキリ感が高まり、スムーズに仕事や勉強に集中することができます。
しかし、カフェインには覚醒作用があるため、夕方以降に摂取すると夜間の睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があります。
睡眠リズムを整え、日々のパフォーマンスを最大限改善するためにも、カフェインは15時までに摂取するのが理想的です。
6 仮眠後は軽くストレッチなどをしてリフレッシュする
パワーナップの後は、「目覚めの習慣」を取り入れると、よりスムーズに仕事や作業に戻ることができます。おすすめの方法は、軽いストレッチや冷たい水を飲むこと。
あるいは肩を回したり、背伸びをするだけでも血流が良くなり、スッキリとした気分になりますよ。
パワーナップに向いている人は?
基本的にパワーナップに向かない人はいません。特に向いている人は、慢性的に睡眠不足だったり日中の眠気や集中力の低下を感じている人です。
また休日に、平日に起きる時間より90分以上多く寝てしまう人もパワーナップをおすすめします。平日よりも長く寝てしまうのは、睡眠不足が溜まっている証拠。パワーナップで日々の「睡眠負債」を軽減しましょう。
仮眠をするときのおすすめグッズ

仮眠をより効果的に取るためにも環境を整えることは大切です。グッズを活用すると、より質の高い休息を取ることができ、勉強や仕事のパフォーマンス向上にもつながるはずです。
◆アイマスク
光を遮断してくれるので、より深い休息を取ることができます。特にオフィスや移動中の仮眠では、周囲の明るさを気にせずリラックスできておすすめです。
◆ネックピロー
首への負担を軽くし、自然な姿勢で仮眠ができるアイテム。デスクや移動中でも肩や首を痛めずに快適に休息を取ることが可能に。
◆ノイズキャンセリングイヤホン
周囲の雑音を遮断し、静かな環境を作るのに役立ちます。心地よい音楽や自然音を流すことで、よりリラックスした状態で仮眠を楽しむこともできます。
◆アロマスプレー
ラベンダーやカモミールなどの香りにはリラックス効果があり、質の高い休息をサポート。スプレーを枕やハンカチに吹きかけるだけで、心地よい香りに包まれながら眠ることができます。
これらのグッズを上手に取り入れれば、短時間でもより効果的な仮眠ができるでしょう。
パワーナップを活用して、午後のパフォーマンスを向上させよう!

仕事や勉強のパフォーマンスを高めたいなら、なんとなく昼寝するよりも、仮眠に適した時間でしっかりと睡眠時間を区切るパワーナップを生活に取り入れましょう。
短時間の仮眠がきちんと取れるようになれば、集中力だけでなく創造力も高まり、仕事や勉強の効率が格段にアップ!
自分に合った仮眠のスタイルを見つけ、日常生活のクオリティを向上させましょう!
